ボランティアとは違う


個人事業主として行なっている仕事が軌道に乗ると、ある一定の利益が出た時には、税金が高くなる性質があります。これを法人に切り替えることで、大きな利益が出ても、支払う税金が安くなるというメリットを享受することができます。
一般的に法人を目指すなら、株式会社や合同会社などを立ち上げるようになりますが、これらとは別に、社団法人を設立するという手段があります。

社団法人を立ち上げる目的として、非営利の印象を顧客などに与えられるというのがあります。非営利といえば、ボランティアのようなイメージが付きものですが、無償で業務を行うのとは違います。非営利の社団法人でも、利益を出すことに法的な規制はありません。社員に対して、対価となる給料を渡すことも可能です。
では、一般社団法人を設立することで何が異なるかというと、出資者や寄付をした人物や団体に、利益を分配してはいけないという決まりがあります。普通、株式会社を設立すると、株主を広く募って、事業資金として活用できるようになります。ですが、株主は儲けが出た分を分配してもらう目的で、その会社の株を所持しています。会社としては、利益が出たならば、株主に利益を分配することで、株主を逃さないようにしたり、新たな株主を呼び寄せる手段に活用できますが、これらの方法を社団法人では利用できないということになります。
しかし、この仕組みを利用すれば、株主の意見に縛られることがないため、組織の中で自由な発想で業務を行えるなどのメリットがあります。それに加え、業務を行う上で信用が得られやすい、法人格を得られるというよさもあります。
法人格の社団法人を設立すると、個人事業主で運営するよりも、銀行口座の開設や不動産の賃貸契約などで、有利に働くようになります。
設立の要件は、社員が2人以上いることです。これは設立時に確保できていれば構わず、その後、1人が退職して1人だけになったとしても問題ありません。そのまま事業を続けることができます。定款認証を提出しますが、現在では電子定款認証も認められており、こちらを利用すれば、収入印紙代を必要としません。
社員総会と理事1人が必要になります。この他にも、理事会や監事、会計監査人といったものを置くことができます。

これらの条件などは、一般社団法人に関する内容です。所得が800万円以下ならば法人税が15%と、株式会社よりも安くなりますので、信用を得るためにも設立を目指すのもよいでしょう。”